2010年5月3日月曜日

ケルン市歴史文書館研究会報告書

昨年11月13日(金)に神戸大学で行なわれた研究会の報告書が刊行され、そのPDF版を研究会のご厚意によりご提供戴いております。下記のリンク先からご覧下さい(日本語とドイツ語でそれぞれ目次ページを作成しましたので、日独双方のお知り合いの方々にもお知らせ戴けると幸いです)。

  • 奥村弘編『文書館救済・防災に関する日独比較研究(第2回地域歴史資料学研究会報告書)』(科学研究費補助金基礎研究(S)大規模自然災害時の史料保全論を基礎とした地域歴史資料学の構築)、神戸大学、2010年3月


    • 目次
    • 奥村弘「文書館救済・防災に関する日独比較研究会報告書の刊行について」(日本語、PDF)
    • ヘルムート・ヘードル「ケルン市歴史文書館:倒壊・被害・救出・概説」(ドイツ語、PDF) 、「ケルン、セヴェリーン通りにおける事故現場の景色(2009年10月20、22日)」(写真多数、ドイツ語、ZIPアーカイヴ) 、「Max Plassmann氏(ケルン市歴史文書館アーキビスト)へのインタービュー (2009年10、11月):倒壊、歴史文書館と市民の関係救出と再建活動の現状について」(ドイツ語、PDF)
    • 平松英人「ケルン市歴史文書館倒壊と市民アーカイブ構想:デジタルケルン歴史文書館の可能性」(日本語本文+ドイツ語要旨、PDF)
    • 猪刈由紀「日本におけるケルン市歴史文書館救援活動:経緯と進展」(日本語本文+ドイツ語要旨、PDF)
    • 井上周平「アーカイブズと市民:ドイツと日本における史資料保全-ケルン市歴史文書館と史料ネットを例にして」(ドイツ語本文+日本語要旨、PDF)
    • 辻川敦「ケルン市歴史文書館研究会参加記」(日本語、PDF)
ご意見・ご感想を頂戴できれば嬉しく思います。

2010年3月16日火曜日

文書館倒壊から一年

先にMLにポストしましたが、去る3月3日で、ケルン市歴史文書館が倒壊してから一年が経ちました。その間、署名と募金という日本からの支援活動も、お陰様で少しずつ進めてくることができました。皆様のご協力に改めて感謝申し上げます。募金は、まだ受け付けておりますので、周りの方々にお知らせ戴くことも含めまして、引き続きの御支援を賜りますようお願い致します。

ケルン市歴史文書館 救援の会 (代表 猪刈由紀 いかりゆき)
   三井住友銀行 新検見川支店 普通 0891254


更なる詳細につきましては、私たちのサイト
http://groups.google.de/group/japanese-solidarity-for-cologne-historical-archive
をご覧下さい。

最近では、文書館倒壊との強い関連が言われているケルンの地下鉄工事において、地下の坑道を支える鉄骨の横流しや記録の改竄があったことが発覚して問題になってはいるものの、公式には倒壊原因はいまだ不明とされています。

倒壊とその後については、この一年のあいだ、さまざまな媒体で報じられ、文書館関係者自身による報告文も含めて、多数出版されました。最新のものとしては
  1. Bettina Schmidt-Czaia / Ulrich S. Soénius (Hg.), Gedächtnisort: Das Historische Archiv der Stadt Köln, Böhlau, Köln u.a. 2010.
  2. Günter Otten, Der Einsturz: Wie das Historische Archiv der Stadt Köln verschwand, Emons, Köln 2010.
の二冊があります。

その他、3月6日から4月11日まで、ベルリンのMartin-Gropius-Bauにおいて、ケルン市歴史文書館倒壊についての特別展が開催されています。倒壊現場から回収された所蔵物の一部を見ることができるようです。
http://www.berlinerfestspiele.de/de/aktuell/festivals/11_gropiusbau/mgb_04_programm/mgb_04_kommende_ausstellungen/mgb_04_komm_Ausstell_ProgrammlisteDetailSeite_14249.php

日本では、11月13日に神戸大学で開催された研究会について、史料ネットのニュースレターにレポートが載りました。以前にもお知らせしましたとおり、同研究会の報告書も刊行予定です。
http://blogs.yahoo.co.jp/siryo_net/31394361.html