2009年5月16日土曜日

救い出すべき史資料の値段

ケルニッシェ・ルントシャウ紙5月14日オンライン版
http://www.rundschau-online.de/html/artikel/1238775227540.shtml

(写真:倒壊現場の様子 dpa)

倒壊現場の地下鉄工事現場の地中奥深くに埋没してしまった文化財を救い出すには、おそらく数百万ユーロが必要である、とシュラマ・ケルン市長。市長によると現時点ではおよそ80パーセントの収蔵品が救出され、6月までにはさらに10パーセントが救出されるであろうとの見通しです。残りの10パーセントは、地下鉄工事現場の地中深く、地下水の中に埋まっているとみられ、その救出作業がコスト的に見合うかどうか慎重に考慮しないといけないと市長は発言しています。現在、技術的な問題が検討されており、6月には決定が下される見通しです。

ケルン市文書館広報担当者によると、試験的に地中を掘ってみたところ、残念ながらそこにも貴重な史資料が埋没しているとのことです。何を救出することができ、何が救出できていないかがわかるにはあと一年はかかる見通しです。「文書館職員はすべての収蔵品一つ一つを救い出すために戦っています。何年も地下水の中に埋まっていたとしても、文書類が失われてしまうとは限りません。第二次世界大戦中にエルベ川に沈んでしまった文書類が数年前に引き上げられましたが、まだ解読可能だったのです。」

同紙もシュラマ市長の発言に対して批判的なコメントを寄せています。
http://www.rundschau-online.de/html/artikel/1238775227564.shtml

「性急にあきらめてしまうべきではありません。最終的に寄付や地域を超えた文化資金が底をついたときにはじめて検討されるべきは、数年後に再び掘り出すことが可能になったとき、それまでに地中に埋まったままの史資料への被害ををいかに最小限で食い止めることができるか、という問題です。」

2009年5月10日日曜日

ゴミのコンテナから聖遺物

5月10日版Welt am Sonntagに、先日ケルン市およびNRW州に提出された日本人による文書館支援のための公開書簡および署名活動が紹介されています。

http://www.welt.de/wams_print/article3711093/Reliquien-aus-dem-Muellcontainer.html
(オンライン版へのリンクです。)

今回の署名は、ケルン市やNRW州、さらには連邦レベルの政治家に対して、ケルン市歴史文書館の援助、特にオリジナルの保全、修復に対し、さらなる実質を伴った措置を取るよう促す大きな力となってると報じられています。

追記

5月7日付Frankfurter Allgemeine紙の文化欄にも活動が紹介されました。

5月13日Koelnische Rundschau紙でも取り上げられました。
http://www.rundschau-online.de/html/artikel/1238775227263.shtml (オンライン版記事)

2009年5月4日月曜日

歴史文書館再建のための立地案続報

文書館再建に向けた立地に関しての続報です。Koelner Stadt Anzeiger紙オンライン版5月3日
http://www.ksta.de/html/artikel/1238966905949.shtml

先日FDPが文書館を倒壊現場に再建する案を提案したとの報道を紹介しましたが、このたびInnenstadt(都市中心部)の区議会でも、全会一致で倒壊現場に再建するよう求める提議を可決しました。これには、先のケルン市文化委員会会合でメッセ案が有力視されたこと対する対案の意味があります。「倒壊現場に文書館を再建することは、市民の誇りと自覚の表明になります」と区議会議員のVolker Goerzel(FDP)は強調しています。

区議会の議論では、その他の候補地として、Waidmarkt案やGereonshof案などが挙げられていますが、後者は費用がかかりすぎるということから多くの反対にあい、取り下げられました。